「生きていて欲しい」 -訪問看護ステーションあやめ福島のお話-

こんにちは、ブログ担当です。

今日は開設して約1年半になる訪問看護事ステーションあやめ福島でのある出来事を受け、あやめ福島の管理者さん(以下、【管】)にお話を伺いました。

 

――先日事業所の方で自殺予防することが出来たケースがあったと伺いました。

 

管「以前から、あやめ福島を利用いただいていた方です。
薬の過剰摂取から入院され、退院するにあたり入院されていた病院から訪問看護のお話をいただきました。
『薬、服薬管理』
『(症状もあることから)お話を聞いていただけるような対応』
が出来るかとのことでした。

病院からは【うつ病】が主病名とお話ありましたが、ご本人様は【他の病気】も自覚しておられて、悩んでいたとのことです。
その【他の病気】もうつ病になられた原因かと思われます。
ご本人様は【他の病気】に対して大変悩んでおられましたが、治療薬等には大きくお金がかかってしまうということもあり、その現状から明確な解決まではいかなかった状態でした。
あやめ福島ではそこまでは援助することが難しく、悩みや相談を聞いてあげることしか出来ませんでした。」

 

当時の状況について――
管「自分はその日事務所で業務をしていましたら、そのご利用者様より
『今まで訪問ありがとうございます』
という一文のみのメールが届きました。

普段も辛い時にはその方からメールをいただいていたのですが、最悪を想定してお電話をしたところ
『これから自殺します。その前にお世話になった方にお礼が言いたくて』
との内容でした。
その瞬間、当日訪問させて頂いたときにいつも以上に部屋が綺麗になっている事を思い出しました。
精神科病棟の経験から『自殺前の身支度をしていたのではないか』と判断し、事業所にいた職員2人でご自宅に伺いました。

ご利用者様と電話を繋ぎながらご自宅まで移動し、インターホンを鳴らすとご本人様が対応してくださいました。
(この間、もう1人の職員に警察連絡対応をしてもらっていました。)
その後、部屋の中で話を伺いましたが、現在かかえている病気が辛いというお話がありました。
『生きてても意味がない』
とカッターを取り出し胸に突きつける行為がありましたが、なんとか説得してカッターを回収。

その後直ぐに警察が到着され保護という流れになりました。

咄嗟の判断ができた原動力。
ご連絡がメールの一文のみでしたが、最悪の自体を想定してお電話し、訪問時の様子と電話内容から自殺のリスクは高いと判断し行動しました。
ご本人様にとって良いか悪いかはわかりませんが、自ら命を絶つような状況を防げたことに関しては良かったと思います。

 

『その人には生きていてほしかった』
というのが正直な原動力でした。
また、今回の件は一緒にいた職員が、私が電話対応している間に
『車出すよ。行くよ。』
と察して行動してくださったことが迅速な対応に繋がったのだと思います。改めて職員にとても恵まれた環境であることを認識致しました。」

 

 

訪問看護ステーションあやめ福島について

―――訪問看護ステーションあやめ福島の長所を教えてください―――

管「自信をもっている点は【情報共有力】だと思っています。
事業所内職員で情報共有をしっかり行うことで、それぞれの利用者様に対して適切な、職員ごとのサービス内容、質を大きく出せるように、ばらつきが無いようになっていると思います。
また、各職員が自主性を持って積極的に動いている点にも情報共有力はつながっていると思います。
看護スキルが高いと自負しています。」

―――訪問看護ステーションあやめ福島として今後の展望は?———

管「『こまったらあやめ福島』と言ってもらえるようになることです。
訪問看護事業所としてあやめ福島はありますが、精神疾患をはじめとして困ったら気軽に相談してもらえるような場所に、地域貢献の面から考えてもそのような存在になっていきたいと考えています。」

 

 

訪問看護ステーションあやめ福島 連絡先

〒960-8132 福島県福島市東浜町10-31ハイツ東舞子Ⅱ102号室
TEL:024-572-4020
FAX:024-572-4021
※精神科、訪問看護につきましては事業所にお気軽にご相談ください。