訪問看護と保険の関係

1. 医療保険と介護保険の違い

公的な保険には医療保険と介護保険があります。

 

“医療保険” は、

「病気やケガをしたときに、治療や医療サービスを受けるために利用される保険」です。

病院での診察や治療、薬の処方などにかかる費用の一部をカバーします。

 

“介護保険” は、

「年齢を重ねる(もしくは特定の疾患にかかる)中で、身体機能が低下し、日常生活に支障が出てきたときに、介護や生活支援サービスを利用できる保険」です。

食事や入浴、リハビリテーションなどの日常生活のサポートを受けるための費用をカバーするものになります。

 

訪問看護は、医療的ケアを行いますが、患者様の状態、状況や必要なケアに応じて、医療保険か介護保険のどちらかで利用することができます。

 

以下にそれぞれの特徴を説明します。

 

 

2. 医療保険での訪問看護

医療保険は、主に病気やケガの治療を目的とした保険制度です。

訪問看護が医療保険で提供される場合、次のような条件があります。

 

◆対象者:

年齢に関係なく、病気やケガの治療が必要なすべての方が対象となります。

 

◆適用対象:

患者様が急性期の病気や外傷の治療を受けている場合、または慢性疾患の管理が必要な場合に適用されます。

 

医療ケアの内容: 点滴、注射、カテーテル管理、創傷ケアなど、高度な医療処置が含まれます。

また、症状の急変時や退院直後のサポートも含まれます。

 

 

3. 介護保険での訪問看護

介護保険は、高齢者や特定の疾患を持つ方々の生活を支援するための保険制度です。

訪問看護が介護保険で提供される場合、次のような条件があります。

 

◆対象者:

65歳以上の高齢者や特定の条件を満たす40歳以上の方が対象となります。

(「介護保険の認定を受けている方」とお考え下さい。)

 

◆適用対象:

要介護認定を受けた方が対象となります。高齢者や介護が必要な方々に提供されます。

 

介護ケアの内容: 日常生活のサポート(食事、入浴、排泄の介助など)、リハビリテーション、栄養管理、認知症ケアなどが含まれます。

また、家族のサポートや相談も行います。

 

 

3. 訪問看護の利用方法

訪問看護を利用する際には、患者様の状態や必要なケアに応じて、医療保険と介護保険のどちらが適用されるかを判断します。

以下に利用の流れを説明します。

 

◎主治医の診断:

主治医が患者様の病状を診断し、訪問看護が必要であると判断します。

 

◎保険の選択:

患者様の状態等に応じて、医療保険または介護保険のどちらで訪問看護を提供するかを選択します。

 

◎訪問看護指示書の交付:

主治医が訪問看護指示書を作成し、訪問看護ステーションに提出します。

サービスの提供

看護師が訪問し、必要な医療ケアや介護ケアを提供します。

患者様の状態に応じて、医療保険または介護保険の適用が変わることがあります。

 

※注意点

利用する保険の種類によって、提供されるサービスや費用が異なるため、事前に詳しく確認することが重要です。

上記、医療保険と介護保険ですが、制度的には原則として介護保険をお持ちの方は介護保険による訪問看護利用が優先されることになります。

特に訪問看護においては介護保険をお持ちの方は介護保険で利用することが優先されることになります。

 

 

このように、訪問看護は患者様の状態やニーズに応じて、医療保険と介護保険の両方を活用して提供されます。

どちらの保険が適用されるかによって、提供されるケアの内容や対象者が異なるため、患者様やご家族にとって最適な選択をサポートします。