私たちは日々の生活の中で大きな出来事や些細な出来事など様々な場面に遭遇します。もちろん日常生活は楽しいことばかりではなく、悲しい気持ちになったり誰かに対して怒りが沸き上がることもありますよね。普通は数日もしたら、問題が解決したりして少しずつ前向きな気持ちを取り戻せるものです。
しかし、その心のモヤモヤ・イライラがいつまでも続く状態だったり、落ち込んでやる気が出ないまま過ごしているとしたら、それはもしかしたら「うつ病」かもしれません。
一人で悩まず、まずは病院の精神科やメンタルクリニックなどで相談してみましょう。
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「なんとなく、行きずらい…」「そもそも体が重くて行動出来ない、面倒だ」と思っている方も多いと思いますが、そのような方は一度 ファーストナースの訪問看護までお問い合わせください。通院付き添い(送迎含む)の無料サービスもございます。
うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという、非常にありふれた病気です。うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。
次の症状が長く続いていたら、早めに適切な治療を受けることが必要です。
一日中悲しく憂うつな気分が続く / 趣味を楽しめなくなった。何をしても楽しくない / 食欲が減る(または増える)/ 眠れない(または寝すぎる)/ すぐイライラして怒りっぽくなる / 疲れやすい、動きたくない / 自己肯定感が低い(自分は価値がないと思う)/ 集中力・決断力がなくなる / 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
うつ病の症状は、始めのうちは体の不調や行動の問題として現れることがほとんどです。特に思春期にはそうした傾向がより強いといわれます。お腹・頭が痛い、体がだるい、生気がないなど体の症状、塞ぎ込んだりリストカットなどの自傷行為、暴力や攻撃的な行動などとして表現されることもあります。
また、うつ病の症状は、朝の調子がいちばん悪く、午後から夕方にかけて改善してくることがよくあります。朝起きず午後から具合が安定すると、周りからサボっているように見えてしまうかもしれませんが、本人にとっては辛いことなのです。
うつ病の治療には、落ち込んだ気分を和らげ、睡眠リズムを改善する効果をもつ抗うつ薬を中心に、必要に応じて不安感を和らげる抗不安薬なども使われます。
医師から処方された薬を適切に服用することが生活の中で重要です。
バイタルサインの測定や会話・表情・雰囲気などを通し、病状の観察を行います。精神疾患の症状は一人ひとり変動が違う部分が多いので、その場の測定値や状態だけで判断するのではなく、前回との些細な変化などを捉えるためのコミュニケーションや観察が必要です。
そして、病状の悪化や再発を防ぐためには正しい服薬が重要な役割を果たします。ですが、ご利用者様の中には薬の効果や重要性を理解しておらず、自己判断で薬を中断しているケースも多いです。予防という観点でも服薬は非常に重要ですので、訪問の時には薬の効果効能の説明と、正しく服薬できているかを確認することは必須です。
精神疾患を抱えるご利用者様は、病状が悪化すると生活リズムが崩れ体調が悪くなりさらに症状が悪化するという悪循環を起こしやすいです。そのため、生活リズムを整えることは治療や症状の悪化予防という観点から非常に重要な役割を果たします。
ご利用者様一人一人の性格や疾患の種類、症状の強さなどを考慮した適切なアドバイスをさせていただきます。ストレスを和らげたり、自分を責める考え方を変化させたりするカウンセリングも行う場合があります。
まず始めは、精神疾患がある方は心を閉ざしている方も多いため、急がず時間をかけて打ち解けて心の距離を縮めていくことを大切にしています。
疾患を抱えながら自宅で生活をするということは簡単なことではありません。病院であれば管理できるところが、目も手も届かないところでは管理できないことが多々あります。そこで必要になってくるのが、相談窓口の案内や福祉サービスなどの社会資源の活用です。生活環境やご利用者様のことをよく知っている精神科訪問看護師だからこそ、必要なサービスをピンポイントで提案することができるので、在宅生活を訪問支援することは必要だといえます。
精神科訪問看護の対象は、ご本人様だけでなくそのご家族も含みます。精神疾患を抱えている方とご家族は良好な関係を築きにくい傾向もあり、悩みを抱えている方が非常に多いです。そんなご家族様に対して適切な情報提供を行い、不安を軽減することもサービス内容に含まれています。
① Y様(50代・男性、うつ病)
幼少期から父親の仕事の都合で転勤を繰り返す生活をしてきたYさん。高校を卒業し就職後、数年で転職。朝起きることが辛くなり、人間関係で悩みが増え休みがちに。持病が悪化し就労が困難になりました。お母様がご高齢なこともあり、訪問看護をご利用される流れとなりました。
まず、看護師が入ることでYさんのバイタル・表情や行動・感情の変化を知ることができました。早寝早起きなどの生活リズムを確立され、身だしなみや家事なども徐々に自発的に行うようになりました。ご家族以外の人間と関わりを持つことで、対人関係(家族含む)も以前より改善されてきているご様子です。看護師が内服薬を管理しているので、きちんとお薬を継続して飲めていることも改善につながっています。
現在、Yさんは看護師の付添いできちんと通院を続けながら、引き続き訪問看護をご利用されています。感情のコントロールもできていてうつの症状も落ち着いており、お仕事を始められています。就労やご家庭内のことで困惑されることもあるようですが、辛いことや心配なことがあったらいつでも訪問看護師に伝えていただけるようご説明し、引続きお悩みのご相談や体調管理をさせていただいています。
② D様(30代・女性、うつ病)
学校が合わずに中退し、将来の不安などから精神的に不安定となり潔癖症に。他の学校へ編入し大学へ進学するも、不安神経症を発症し中退するという経緯がありました。その後、月に1回通院しカウンセリングも受けながら、就労支援サービスを利用して就職を目指し頑張っておられます。
小さお子様がいらっしゃいますので、やはりご自身の将来の事と育児の不安、家のことなどで気持ちが塞ぎ込みがちになってしまいますが、訪問看護を利用し看護師になんでも相談できる環境を作ったことで、ストレスが和らいでご気分が晴れる時が多くなってきたそうです。
訪問看護では、お部屋の衛生面にも気を配り、お掃除・お片付けも一緒に行うことができます。今後もD様とご家族様に寄り添って、日々安心してお過ごしいただき少しでも多く笑顔になっていただけますよう、ご訪問させていただきたいと思います。
精神科へ通院されている方は、皆さま訪問看護を受ける対象になりますので、まずはお気軽にお問い合わせください(通院されてない方でもご相談を承っております)。看護師または相談員がお話をお伺いします。
ご本人様とご家族様の現状をお聞きし、訪問に入る回数やお時間、訪問内容のご要望等をお打ち合わせの上、初回訪問日を決めさせていただきます。医療保険一割ご負担で利用できる自立支援医療受給者証をお持ちでない方は、こちらで申請のお手伝いをさせていただきますので、あわせてご相談ください。
日々の暮らしがより良いものとなりますよう、ご本人様のご要望はもちろん、ご家族様のご要望もしっかりお聞きします。
Q1.体調が悪く、訪問をキャンセルしたい時はどうしたらいいでしょうか。
A.ご連絡ください。ただ、訪問看護は基本的に体調が良くない方の訪問を行っておりますので、体調が悪いときは訪問日だからと無理に起きずに、ベッドに横になったままで大丈夫です。発熱の場合は訪問を別の日にさせていただいております。
Q2.通院の送迎は別料金がかかるのでしょうか。
A.ファーストナースでは、通院をサービスで行っております。別料金をいただくことはございません。尚、通院途中にお買い物などの立ち寄り、付添いサービスは行っておりませんのでご了承ください。
Q3.決まった看護師にしか来てほしくありません。
A.初めて会う看護師さんや、いつも来ない看護師さんだと気疲れしてしまうこともあると思います。ご利用者様のお話しをお聞きいたしますので、一度ご相談ください。うつの症状が改善され社会に出ると、やはりいろいろな人がいますので、今いろいろな看護師とお話をすることで対人の苦手意識を克服できる場合があります。決められた看護師だけしか対応しない、という内容に関しましては、お互いによくお話しさせていただくことが必要になります。
「自分はいないほうがよい」「消えてしまいたい」といった気持ちになることは病気が原因。しっかり通院し、決められた内服薬を飲むなどの治療をすることで、症状は改善します。
精神科訪問看護の内容は、疾患のため生活リズムが整わない方や服薬管理が正しくできない方、定期的な外来通院ができない方なども対象のため、治療というよりは日常生活を整えるための援助がメインとなります。
うつ病の疾患があるご利用者様は心を閉ざしている方も多く、充分な時間をかけて打ち解けていく必要があります。まずは心の距離を縮めていき(近づきすぎると訪問看護師への依存が強くなってしまうので程よい距離感を保ち)、うつ病のご本人様とそのご家族の方が社会の中で孤立してしまうことを防ぎます。現状の維持またはより良い生活を目指すため、訪問看護を検討されている方は一度ご相談ください。